相場操縦で早大ＯＢ有罪。見せ玉による株価つり上げ。
先日、「相場操縦で早大ＯＢ有罪」というニュースが流れていました。
株価を不正につり上げたとして金融商品取引法違反（相場操縦）罪に問われた有江正宏被告（36）と布浦隆司被告（33）の判決で、東京地裁は22日、いずれも懲役２年６月、執行猶予４年、罰金250万円（求刑懲役２年６月、罰金250万円）を言い渡した。
２人は早稲田大の学生らでつくる投資サークルのＯＢ。
検察側は追徴金計7億6516万2200円を求刑したが、判決は計3億9039万5600円とした。判決理由で大野勝則裁判長は「サークルに所属して培った豊富な知識を悪用し、巧妙な手法を確立した。
職業的に相場操縦を繰り返しており、悪質だ」と指摘した。判決によると、2013年２～８月、大量に見せ掛けの注文をする「見せ玉」などの手法で、神戸製鋼所（神戸市）など４銘柄の株価をつり上げて株を売買した。
by 「日本経済新聞 電子版」
億越えの追徴金
罰金の「250万円」は法律で決められた制裁金です。
一方、「3億9039万5600円」と億越えの追徴金は、不正な方法で取得した金銭を没収する金額です。（制裁の意味もあり）
有罪判決を受けた2名の被告は、架空の売り注文を入れて約定する直前に取消しを入れる手法「見せ玉」を使うことにより、オリエントコーポレーションなどの株価操縦を行い、約3億円の利益を上げていました。
悪質な犯罪
「見せ玉」による株価つり上げは証券取引法で「相場操縦」として禁止されている行為です。
見せ玉を行うには相場操縦できるほどの大きな資金（数千万円～数億円規模）が必要になります。
ただ単に一般投資家が発注を取り消すくらいのものは相場操縦となりません。
今回の被告2名が在籍していた、早稲田大学「マネーゲーム愛好会」は2009年にもOB3名が相場操縦を行い、 約40億円の利益を上げたとして有罪判決を受けています。
「豊富な知識を悪用」したとして、厳しい判決を受けたようですね。