目先の利益と損失の先送り
長いタイトルですが、普通の投資家の投資スタイルと見事なまでに合致しているはずです。
思い当たる方は考え方を改める必要があるかもしれません。 私はこの逆をやっているといい切れる方はかなりの成績を上げられていると思います。
さてここで有名なテストをして見ましょう。
ご存知の方も多いと思いますが、しばしお付き合いください。
投資家とは欲張りな人種であると、このブログではいつも書いていますが、 欲が目を曇らせ冷静な判断ができなくなってしまうことが往々にしてあります。
第１問
あなたは８０万円の賞金を獲得しました。 ここでやめれば８０万円を持って帰れます。 ただしあなたにはサイコロを振る権利があります。（振らなくても良い）
振った場合１．の目が出たら８０万円は没収されます。
それ以外の目が出たら賞金は１００万円に増えます。
あなたはどうしますか？
Ａ ８０万円を持って帰る。
Ｂ サイコロを振って１００万円に挑戦する。
第２問
あなたが連帯保証人になった友人が夜逃げしました。 あなたは８０万円を払わなくてはなりません。 博打好きの闇金業者は１つの提案をしてきました。
サイコロを振って１．の目が出たら借金を棒引きにしてやる。
ただしそれ以外の目が出たら借金は１００万円だ。
好きなほうを選べ!!
あなたはどうしますか?
Ｃ ８０万円を払う。
Ｄ サイコロを振って棒引きにかける。
分析と傾向
普通の人は第１問はA、第２問はDを選びます。
これが一番投資に向かないタイプの答えであり、不特定多数の中で一番多い答えでもあり、 タイトルにもある投資行動に合致する答えでもあるのです。
第１問で考えて見ましょう。
Aだと８０万円もらえます。 Bだと１００万円もらえる可能性が６分の５、ゼロになる可能性が６分の１、 平均期待値は約８３３３３３円です。
つまりBを選んだほうが受け取れる金額が多くなるのです。 それにもかかわらずAを選ぶ人が多いのはせっかく得た利益を失いたくないと いう恐れがそうさせるのです。
これこそがタイトルの目先の利益重視になります。
第２問で考えて見ましょう。
Cだと８０万円の支払いです。
Dだと１００万円の支払いの可能性が６分の５、ゼロになる可能性が６分の１、
平均期待値は約833,333円です。
つまりDを選んだほうが支払い（損失）が多くなるのです。
それにもかかわらず
Dを選ぶ人が多いのは根拠もないのに何とか損失を免れたいと思う心理がそうさせるからにほかなりません。
これがタイトルの損失の先送り（損を何とか免れたい）になります。
投資に適した人は理屈はわからずともBとCを選ぶそうです。
その次に投資に適した人はこれが期待値の問題だと気付くそうです。
前者は天才型、後者は理論型といったところでしょうか?
ちなみにAとDを選んだ人の平均はマイナス33,333円 AとCを選んだ人の平均はプラスマイナスゼロ（堅実型） BとDを選んだ人の平均もプラスマイナスゼロ（勝負師型）です。
BとCを選んだ人だけがプラス33,333円になります。
わずか２問の問題で答えの組み合わせは４通りしかありませんが、 単純に確率で考えてもプラスの期待値を叩きだせるのはわずか２５％にすぎません。 (Ｂ，Ｃの人) 実際はこの数値よりはるかに低くなるはずです。
AC、もしくはBDの人は行動が常に一致していると考えることができるので特に問題はないでしょう。 （投資に向いているとはいえませんが）
問題なのはADの人です。
このテストで唯一平均値がマイナスになったようにこのやり方では上げ相場の追い風がない限り 利益を出し続けていくことは困難になります。
「株が大好き」 管理人 ： renbajinharuhi さん執筆のメルマガです。
1985年より投資をはじめて投資暦28年。
深い株の知識と長年の経験・考察力によるココロ構えをご厚意にて発信して頂いております。
また、「本編の掲示板」におきましても的確なコメントをいつも頂いております。
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