「超初心者のココロ構え」其の47
1.PERの考察前回の投資家の心構えはいかがでしたでしょうか?
前回の心構えが完全に体得でき、自分の研究分析に絶対の自信ができると市況覧を見る必要はなくなります。
なぜならそのような人が選んだ会社が成長しないわけはないので、株価は黙っていても上がるからです。
遅いか早いかの違いはありますが、投資は一生続くと思えば何の問題もありません。
これが現在時点で私が考えられる最高レベルの投資家の姿です。
失礼ですが、そこまでのレベルの方はこのメルマガをお読みのはずはないので、やはり勉強は続けなければなりませんが、皆様が、余裕資金で投資をしていれば毎日の株価に一喜一憂する必要はありません。
1年単位で資産が増えていれば十分です。
アマチュアの資産形成のための株式投資ならそれでいいと思います。
さて、今回は少し趣を変えて投資指標の基礎について考えてみたいと思います。
一番基本的な投資尺度にPERがあります。
PERとは Price Earnings Ratio の略で日本語では株価収益率と訳されています。
株価と利益の関係を示すもので、現在の株価は1株利益の何倍になっているかを測る尺度です。
A社の1株利益(税引き後利益を発行株数で割ったもの)が20円で株価が400円の場合
400÷20=20で PERは20倍になります。
これを同業他社や市場平均と比べて割安、割高の判断材料にするのが一般的な使い方です。
このPERを少し変わった使い方をして見ます。
税引き後利益は必要経費や税金をすべて払った後に残ったお金なので、どのように処分しようと自由です。
一般的にはその一部を配当金として株主に分配し、残りを内部留保として会社に蓄え、将来の成長のために使ったり、不測の事態に備えたりします。
しかし本来、会社は株主のものなので、手元に来た配当金(5円とします)は もちろん、内部留保されたお金も株主のものなのです。
ただ内部留保をせずに、その年の利益を全部配当金として払ってしまうと、資金が必要になったときにいちいち資金調達をしなければ成らなくなります。
銀行から借り入れると、金利分だけ利益の減少要因になるし、新しい株を発行して資金を調達すると株数の増加により1株利益の希薄化につながります。
また自己資本の充実は会社の安定性の向上につながり、結局は株主の利益にもつながるので、ほとんどの企業は毎年内部留保を積み増しています。
けれども手元に来ないだけでその年の株主が得たものは配当+内部留保の金額と考えていいはずです。
つまりその年の一株利益の全額が投資した資金に対するリターンと考えていいはずです。
上の例で考えると400円の投資に対してのリターンは20円です。
利回り計算をすると
20÷400×100=5%になります。
つまりPER20倍ということは利回り5%と同じことです。
ここで気付いた方がおられたと思います。
確かに計算上はそうなるかもしれないが実際に受け取ったのは配当金だけなのだし、利回りは5÷400×100=1.25%ではないのですか?
と
よく気がつかれました。
確かに投資の基準はキャッシュフロー、
確実な現金収入だと述べてまいりました。
配当金は確定収入ですが、内部留保の分は手元に来ていないので確定収入ではありません。
確かに手元に20円の現金が来るのと、たとえ自分のものだとわかっていても5円しかこないのでは投資家の利益に対する評価はおなじになりません。
実は
手元に来た現金を基準に求めた数字が利回りで、
内部留保を含めた数字は益回りと
いうのが正しい言い方なのです。
利益の100%を配当金にすれば利回り=益回りになります。
当然利回りと益回りを比べた場合、益回りに高い数字を求められるのは言うまでもありません。(不確定要素があるため)
現在最も信用度の高い利回りの数字は国債です。
今は約1.7%です(10年長期国債)当然株の益回りにはこれより高い数字が求められます。
その基準は国債金利+3%です。
これが株と国債がつりあう(同じ)状態とされています。
この式で計算すると4.7%になりPER21.2倍になります。
これが理論上の株の益回りが国債の利回りとつりあっている状態です。
国債金利2%ならPER20倍になります。
これに相場の地合、投資家心理などが加わって益回りによる相場の均衡点が探られます。
「株が大好き」 管理人 : renbajinharuhi さん執筆のメルマガです。
1985年より投資をはじめて投資暦28年。
深い株の知識と長年の経験・考察力によるココロ構えをご厚意にて発信して頂いております。
また、「本編の掲示板」におきましても的確なコメントをいつも頂いております。
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